横山エンタツ
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きっかけ
京都で出版記念祝賀会があった。その席にかねて存じ上げている関西芸能の生き字引Gさんも来られた。
芥川賞を獲った『火花』はお読みになったか訊くと読んでないと。その作中に伝説的な天才漫才師が出てくるがモデルは誰でしょうと尋ねた(ぼくは横山やすしを念頭に置いていたのである)。
エンタツ
すると、予想もしない答えが返ってきた。「そりゃあ、エンタツや」(横山やすしはエンタツの孫弟子である。また先日他界した花紀京は息子である)。
横山エンタツ(1896-1971)は東大出の漫才作家・秋田實と組んで活躍した。
「早慶戦」などは今は時代が違うからやる人はいないが、当時としては画期的な演目だった由。プロ野球がない時代にラジオの実況風のやりとりをまじえて演じる。
横山エンタツ・花菱アチャコ 早慶戦 上.下 万才 - YouTube
このボケは確かに神話的なボケといえる(レコード・ラベルに「萬歳」の表記が。漫才は萬歳が発祥)。
だけど、ここで疑問が。はたして又吉直樹はエンタツを知っていたのか。あるいは意識していたのか。
帰りぎわ
Gさんはぼくに「あんた、それは雑誌で読んだん?」と問う(「文藝春秋」2015年9月号に掲載されている)。
「いえ、電子書籍で」と答える。単行本でも出てますねなどと話す。
ひょっとしたら、次回お会いするときには感想が聞けるかもしれない。