イアン・スミスの唄うバーンズ
[スポンサーリンク]
Ian Smith, A Celtic Connection (IS02, 2011)
アイルランドのギタリスト、イアン・スミスの2011年のアルバム。
ドネゴール(アイルランド北部)のシンガー・ソングライターとしても知られる。しぶい歌声。曲はいぶし銀のような深い味わいのものが多い。
ギタリストとしての腕前は相当のもので、ギターの音色も繊細極まりなく、本当はギター一本の弾き語りで聴きたいところなのだが、本CDはマーナス・ラニのプロデュースのもと、控えめなバッキングが付いている。伴奏陣(ウッドベースやハーモニー・ヴォーカルを含む)は手堅い。
バーンズの名曲
おやっと思ったのが2曲目に入っているロバート・バーンズの〈Ae Fond Kiss〉。名曲中の名曲で、これまで数知れないアーティストが取上げているが、ここでのイアン・スミスの歌声は本当に素晴らしい。
iTunes やアマゾンのMP3ダウンロードで試聴できるので、ご関心の向きはぜひ一聴を。ただ、ベースの太く豊かな音質は、やっぱりCDで聴いた方がいい。
バッキング・ヴォーカル
ひとり、大変気になったのがトラック5のバッキング・ヴォーカルの Jacqui Sharkey というひと。曲は〈Grianann's Hill〉というオリジナル(Ian Smith と Tony Kerr の共作)。Jacqui Sharkey は彼女自身もドネゴールのシンガー・ソングライターで、ここでは、粘りのある、惚れ惚れする歌声を聞かせている。
円形砦
曲名の Griannan's Hill というのは、ドネゴールにある円形砦。1700年前のものという。この小高いところへは明らかにイアン・スミスは行ったことがあるようで、次のようなことを書いている。
It can be a place of amazing spirituality and peace, the sense of ancient times gone by is very strong.
つまり、「驚くべき霊性と平安」の場で、そこにいると、「過ぎ去った古代の感覚」が非常に強く感じられると。うーむ。行きたくなる。これを歌にするくらいだから、よほどの所なのだろう(下の写真)。
[Grianan of Aileach]
source:
Grianán of Aileach, Co. Donegal | National Monuments Service
ライブ映像(2012)
イアン・スミスが伝統歌〈The Rocks of Bawn〉を唄う動画がある(本CDには入っていない)。ドネゴールの Dunlewey という場所でのライブで、フランキー・ケネディ・ウィンター・スクールに行ったことのある人には懐かしいところだ。ギター一本で聞かせるこの歌声には胸が熱くなる。
Ian Smith - The Rocks of Bawn - LIVE - Acoustic ...