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時の beag をめぐる仮説


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アイルランド語の 'beag' (小さい)の語が時の表現で使われることがあります。それについて某所で書いたことをまとめておきます。


ガロージーン・ヴラナハの名唱で知られる歌 'Tráthnóna Beag Aréir' 「夕べ遅く、昨日の夕方遅く」に現れる beag は典型例です。


まず、tráthnóna < tráth nóna [< nóin] と語源を考えてみる。つまり、元「九時課」(=午後3時)であると。そう考えれば、tráthnóna が午後3時以降の夕方を(元々)指す理由が判る。


その前提に立ち、nóin beag とか tráthnóna beag を考える。いづれも「夕方おそく」の意。ドネゴール方言(的)な表現。どうして<小さい夕方>が遅い夕方の意味になるのだろう。


beag は最近の時を指すのに使うことは使う。anois beag 「たった今」とか inné beag 「ほんの昨日、昨日遅く」とか。


ここから、時の beagについての仮説。今の〔或いは、ある〕時点から考えて<ほんの少し>(前)を表すのが元々の使い方ではないか。夜になったばかりの時点で直前の夕方遅くを指すのが tráthnóna beag であり、今日になった時点で直前の昨日を inné beag と。

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