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ラフタリーの命日


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12月25日はラフタリーの命日だった。175年前、彼はゴールウェー県で死去した。

ラフタリーといえば、アイルランドでは小学生でも知ってる有名な詩人だ。盲目の詩人である。だれでも知ってる有名な詩は「われはラフタリー」*1 という詩なのだが、これが実はラフタリーの作でなく、なんと米大陸で作られたものらしい。

そんな話を含め、新しい発見を織り交ぜたラフタリーのドキュメンタリー番組が12月31日夜、アイルランド語TV局TG4で放送される。

ラフタリーが注目を集めることはまことにうれしい。

というのも、ラフタリー作の詩歌はシャン・ノース歌唱の重要なレパートリーなのだ。オリアダ杯の大会でも必ず誰かが唄うといってもいいくらい。そして、ラフタリー作の歌が唄われる際には司会者は必ず敬意をこめて<ラフタリーの歌>と紹介する。そんな栄誉が与えられる詩人は他に知らない。*2



人の生き方は外見や能力とはあまり関係ない。運命を受け入れ、そこからそれぞれの道を歩き出す気力があるかないかの違いなのだ。*3

*1:Mise Raiftearaí

*2:オリアダ杯で唄われる伝統歌のいくつかは作者が判っているが、その名前をわざわざ挙げて紹介されるのはここ十年ほどはほぼラフタリーのみ。

*3:曽野綾子「透明な歳月の光・412」