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聞取り試験と文部官僚


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俵孝太郎の文章(ゲンダイネット)。

大学入試ヒアリングは文部官僚の延命策だ


小役人どもが一度握ったクビと利権を手放すまいとして巡らす奸策のあくどさは、世間の想像を大きく超える。


中曽根内閣時代の臨教審、臨時教育審議会の使命の一つは、大学入試共通一次試験の廃止だった。その背景に、これで大学大衆化が進む半面、優れた大学が独自に優秀な学生を選ぶ道が狭められて、国の将来を担うエリートが育ちにくくなるのを憂う、中曽根氏の鋭い問題意識があった。


この事実は、当時の文部省が「過激な改革論者」として強く警戒し、社公民共の野党に裏面工作して国会承認人事である委員への就任を阻止した山本七平渡部昇一屋山太郎氏や筆者などを、国会承認を要しない専門委員として臨教審に送り込んだ中曽根氏が、私的な場で直々に、この点をよろしく、といったのだから、はっきりしている。


これに危機感を抱いた文部官僚がとった「対策」は、自民党文教族議員に頼って、共通一次を実施する大学入試センターのコンピューターを更新することだった。そのうえで、最新のコンピューターをムダにできないとして、中曽根氏の顔を立てて共通一次の名は捨てたが、センター試験と改名して実質を残したのだ。


今回から再生機を使った英語のヒアリングを導入すると聞いて、野郎ども、また汚い手を使ったな、と思った。入試改革の流れがある。入試センターの将来も危うい。そこで新しい機器を導入し、新調したのにムダになる、と組織延命の口実にする気なのだ。


再生機は0.1%が故障したという。小役人どもはまずまずの成績と思っているかもしれないが、1000便の飛行機、1000本の列車で1件の事故が起きたら大変だ。受験生の一生がかかっているのだ。チャチな機器も無用な組織も、即刻廃棄すべきだ。【俵孝太郎


【2006年1月26日掲載】

こういう側面に加えて、高校校長会の要望もある。受験生はどうか。

拙速である点を二つ挙げる。

  • 「リスニング」という英語の名詞は(まだ)ない
  • オープンエア・タイプのイアフォンは聞取りには全く不向き

知られていないが、京大や東大はこれを利用しない。