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E2c とケルトナーのブラシ <追記><コメント>


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音の遮蔽に優れるシュアの E2c イアフォンを入手。イアフォンやヘッドフォンに関しては試行錯誤を繰返しているけれど、E2c は Time Domain Mini スピーカー以来の個人的ヒットとなった。つまり、今まで聞いてきた好きな音楽が、さらによく聞こえ、新たな発見があった。このイアフォンについては語りつくされた感があるけれども、屋上屋を架す覚悟で少し書いてみよう。購入までに参考にしたウェブサイトはあとの関連リンクに挙げる。
気づいた点。

  • ピアニッシモがよく聞こえる
  • 中低域がしっかり聞こえる
  • 最適の音量を見つければ音楽が非常に生き生きする

この最後の点は説明が必要だろう。説明書には音量は最小にしておいて、徐々に上げてゆき、必要最低限の音量で聞くようにと書いてある。CD によって再生レベルが違うので、このイアフォンの特徴を引出すには微調整が必要である。いろんな音楽を試す中で、あるポイントを見つけたら、とたんに音楽が生きはじめ、引込まれるような感覚になる。密閉型ヘッドフォンに近い感覚で聞けるので、そうなると音楽に没入できる。
試聴に使った主な曲を挙げておく。

  1. Brad Mehldau: <Dusty McNugget>
  2. Diana Krall: <I Can't Give You Anything but Love>
  3. Leon Russell: <Out in the Woods>
  4. John Renbourn: <South Wind>
  5. Lasairfhíona Ní Chonaola: <An Raicín Álainn>

どれも予想以上にいい音がして、うれしい驚きだった。特に、1. ではジム・ケルトナーのスネア・ブラシが初めてといっていいくらい鮮明に聞こえ、この曲における存在感を改めて知ることができた。大きな収穫。4. はジョンのギターの中低音域の量感がきちっと出たので驚いた。普通はイアフォンではそこまでの膨らみは中々感じとれない。5. はただただ、びっくりした。タイム・ドメイン・ミニ以上にいい音で聞こえたので。これくらい豊かに生き生きと聞こえると、アイルランド語の響きの美しさとともに堪能できる。
注文を述べるとすれば、高音域の解像度と迫力だろうか。まあしかし、フルレンジでこの価格なら、ここまで出てれば、ぼくは満足だ。B & O の A8 より全体的な解像度は劣るかもしれないけれど、分析するんじゃなくて音楽に没入したい時は、これからはこっちを選ぶかもしれない。


<追記>
電車の中で E2c を使ってみた感想を追加しておこう。試した環境は阪急電車の普通電車と特急電車。感想はやはり上に書いたのと同様で、極小音量で聞こえるのは快感。ふつうならこの音量だと聞こえないというくらい小さいヴォリュームにしても聞こえる。試聴に使ったのはアイルランド語教材と FM NHK のクラシック番組。特に、後者は音量ゼロより少し上くらいでもしっかり聞こえた。その時、周りの音が聞こえるかというと、これが聞こえるどころではない。車内アナウンスはうるさいくらい聞こえるし、駅のエレベータのスピーカーの音などは大きすぎるように聞こえる。そういう外界の音がしている時、ふつうのヘッドフォンだと注意がそれて自分の聞いている音源が聞こえにくくなるものだが、それがない。自分の聞いている音は小さいがしっかり聞こえる。だから、音量を上げる必要も殆どない。いつもはぼくは電車では Sonyノイズキャンセリングヘッドホン(MDR-NC11)を使っているのだが、それと比べてもそんな感じがする。E2c はノイズはキャンセルしないが、自分の聞いている音をしっかりガードするような感じ。
なお、いくら小さい音で聞いているからといって、車が通るような道で E2c を着けたまま歩くのはやはり危険だ。車やバイクのいつも聞こえるようなエンジン音がいつものように聞こえないので。そんなこんなで、プラスマイナス合わせて、E2c はまだまだ語るべきことがあるような気がする。
〔補足〕 とんがりやまさんのコメントを戴いたので少し補足。E2c 附属のスリーヴは2種類あり、各3サイズあります。つまり、計6組あります。自分の耳に合わせて好きなものが選べます。届いた状態では中サイズのプラスティック製スリーヴが装着されており、その状態でも初めて聞いた時は相当驚きました。が、低音がやや不足に思えたので、スポンジ製(?)のスリーヴに替えると、これはバッチリで低域が豊かに聞こえます。恐らく密閉度が増すのでしょう。
あと、説明書に「耳鼻科の検診を定期的に受けて下さい」とあるのにはびっくりします。鼓膜に近いところで鳴るので、それなりの注意が必要です。必要最低限の音量で使用するというのは、そういう理由からも当然のことかもしれません。ただ、オープン型のイアフォンで隣でも聞こえるくらいの大音量で聞くより、E2c で小音量で聞くほうが、耳にはよいような気がぼくはします。
関連リンク:
2ちゃんねるで祭りになったイヤホンShure E2紹介
たかがイヤホンというなかれ・・・SHURE E2c
サウンドハウス (在庫があれば即納)