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2004/5 BBC Radio 2 Young Folk Award


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 英国若手フォーク音楽家の登竜門 'BBC Radio 2 Young Folk Award' (第7回)が発表されました(12月3日付)。一位になった Lauren MacColl は18歳のフィドラーで、Ross-shire (スコットランド北部)出身。現役の学生でもある(Royal Scottish Academy of Music and Dance の二年生)。彼女はあまりの感激に、John McCusker から賞を渡された際、言葉がしばらく出なかったほどらしい。その後、気をとりなおし感謝を述べ、弾いたスローエアに、会場(ロンドンの Union Chapel)の聴衆は息を呑んだ由(後述のラジオ番組で聞けます)。
 こちらの サイト に同賞の模様が詳しく出ています。その頁の最上部のリンクをクリックすると、同賞特集のラジオ番組(Mike Harding Show)が流れ、番組途中から同賞の競技者6組の演唱が聞けます。ラジオでかかるその競技者の順を書きます。

  1. Chillum
  2. Kathryn Davidson: Lovely Willie (無伴奏のバラッド歌唱!)
  3. Lauren MacColl (ソロ・フィドル
  4. Kerfuffle
  5. Bella Hardy (中世のクリスマス・キャロルを自身のフィドル伴奏で歌う!)
  6. Carly Blain and Rachel Cross (フィドル・デュオ)

 ローレン・マッコールのフィドルは、スコットランドらしい深い情感の流れる曲(ジグとスローエアとマーチとストラススペーのセット)を奏で、18歳とは思えぬ音楽的成熟を感じさせる素晴らしいものです。もっともっと聞きたい気分になります。ところが、インタヴューによると、何とイングランドで演奏したのはこれが初めての由。天よ、彼女の未来に輝かしき道を用意されんことを! ジョン・マッカスカーが「聞いていたみんなが感動しました」と言ったのはお世辞でも何でもないと思う。
 ローレンは インタヴュー で伝統音楽について面白いことを語っているので引用しておこう(太字は質問)。

Traditional music is regarded as a bit more 'normal' in Scotland, more so than in England ....

I don't really know the scene but I would say that it is. It's a very social thing as well, it was never a competition in the way that this is a competition, it's a very social thing, playing informally, playing for ceilidhs ....


When you were at school, was it also something you did with school friends?

Never with school friends, there was never any traditional music in the school I went to. It was all outside school and just in that week every year [the Fèisean movement, the week-long summer school] I would go away for the week and just listen to CDs and immerse myself.

 ファイナリストの 4-6 番目は番組の最後のほうにかかります。率直に言って、どのアーティストも非常に聴き応えがあります。番組ホストのマイク・ハーディングが同賞のこれまでの大会で最高水準だったんじゃないかとコメントしますが、納得。
 特に驚いたのは、自分でフィドルを弾きながらソロで歌うベラ・ハーディで、この Castleton のキャロル(Through Lonesome Woods)は、ちょっと他では聞けない珍しい感動を与えます。