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アイルランドを知るための60章 <追記>


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 新刊情報。気鋭の著者たちによる、今のアイルランドを知るためのエリア・スタディ。

  • 海老島 均、山下 理恵子編著『アイルランドを知るための60章』 〔エリア・スタディーズ〕 (明石書店) ISBN: 4-7503-2021-8 価格 2,100 円

 他の著者は池田寛子、大木京子、澤田倫子、高神信一、宮谷直樹、守安功、山本拓司の皆さん。なお、池田さんは日本におけるアイルランド(語)詩の若手研究者として傑出した方です。

 明石書店のサイト から目次を引用します。

はじめに
1 アイルランド共和国の誕生まで


2 暮らしと経済

  • 第11章 アイルランドのなかの土地柄――プロヴィンスとカウンティ
  • 第12章 人口の三分の一が集まる首都――ダブリン
  • 第13章 あいさつは天候ではじまる――灰色の空の下で
  • 第14章 奇跡の九〇年代――失業率からみた経済成長
  • 第15章 「ケルティック・タイガー」の秘密――経済急成長の舞台裏
  • 第16章 産業基盤の二重構造――外資系企業と国内企業
  • 第17章 EUのなかでの国造り――EU地域政策とともに進む国内開発
  • 第18章 多元化社会の道を歩む――外国人増加と人種差別
  • 第19章 アイルランド女性VSカトリック教会――離婚・中絶
  • 第20章 家庭から社会へ――新しいアイルランド女性像
  • 第21章 広がる貧富の差――アイルランドの階級と貧困
  • 第22章 生活に浸透したカトリック的モラル――カトリック教会の影響
  • 第23章 子どもは国の資源だから――教育重視の政策
  • 第24章 子どもたちの恵まれたスポーツ環境――学校スポーツと地域クラブ
  • 第25章 優秀な人材を育てる――高い大学進学率


3 仕事、家庭、余暇

  • 第26章 会社のためでなく、自分のために働く――アイルランド人の仕事観
  • 第27章 多様化する夫婦関係――今どきの結婚と出産・子育て
  • 第28章 金曜日を待ちわびて――ウイークエンドの過ごし方
  • 第29章 ビーチで過ごす休暇が夢――クリスマスとイースターの今と昔
  • 第30章 すばらしきクラブライフ――余暇としてのスポーツ
  • 第31章 伝統スポーツが意味するもの――ゲーリック・ゲーム
  • 第32章 英国との複雑な関係の象徴――ラグビーとサッカー
  • 第33章 ギャンブルは楽しい――ブックメーカーとナショナル・ロッタリー
  • 第34章 出会いの場を求めて――マッチメーキングからダンスパーティまで
  • 第35章 ビール片手に話が弾む――パブという社交場
  • 第36章 ホスピタリティと出会う旅――B&Bに泊まる
  • 第37章 ジャガイモ王国の食生活――アイルランドはおいしい


4 アイルランドを象徴する有名人たち


5 芸術と文化の大国として


コラム1 ゴミ問題への新たな挑戦
コラム2 白熱するパブ禁煙論争
コラム3 新聞とラジオ
コラム4 アイルランドのダンス
アイルランドを知るためのブックガイド

 これだけの内容を盛込んで289頁。お正月の読書に好適。
 ひとことだけ。「エイモン」はないでしょ。必ずしも不人気ではなく、アイルランド語話者の間では彼がいなければ今日のアイルランドはないという評価をする人もいることが、たとえば TG4 の対談番組などを見ていると分かる。このことが示唆するのは、池田さんを除いては情報源が英語に限られる?

<追記>
 多岐にわたる内容の書だから、参照用に使うには索引が不可欠と思い、本屋で調べてもらうと索引は附いていないことが分かり、購入を取止め。これでエリア・スタディ? 余計なことを書くと、私が和書の研究書をめったに買わないのは、索引に対する出版社の意識が低すぎるから。あんなもん、C 言語で一発で書けるんだけどなあ、やる気があれば。頁数の制限なのだろう、おそらく。