Tigh Mhíchíl

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起源に関する Quinn 説(6)


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 冷静に考えると、クィンの説はシャン・ノースから「ケルト幻想」を解毒するには、かなり有効である。

 「ケルト」だけではない。一般にアイルランド(伝統)音楽から連想するような「心地よさ」と、クィンが支持するコナマラのシャン・ノース音楽とは対極に位置する。

 この論を進めると究極的には、ドネゴールやマンスターの「なめらかさ」とコナマラの「ごつごつした感触」とは永遠に相容れないであろう。

 たとえば、ドーナル・ラニーが音楽的にちょっかいを出せるのはせいぜいドネゴールかマンスターどまりで、コナマラなど考えられない。堅い岩盤にはじき返されるのがおちである。

 けれども、若い世代からはそのような殻を破る歌い手が少しずつ出てきているのは興味深い。アラン島出身でありながら強固な岩盤を突き抜けてやわらかな地平に躍り出ているかに見えるラーサリーナ(ラサリーナ)・ニ・ホニーラ。グィードール出身でありながら極めて堅い岩盤をそなえたドミニク(ドィムリク)・マク・ギラ・ヴリージェ。それぞれ、2002年、2004年の若手シャン・ノース歌唱を代表するアルバムを発表している。一方、マンスターは平和だ。気候が良すぎるためか、あくまでおだやか。あくまでなめらか。(この項おわり)

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