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根来見解


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 9月17日付 読売新聞サイト に発表された根来コミッショナー「私の見解」はぼくの乏しい頭では理解に苦しむ。最後の段落を引用する。

いずれにせよ今日の事態を招いたのは、社会経済情勢の急激な変化によることもあるが、経営者、選手、私を含め野球機構等関係者の責任であり、他に転嫁できるものではない。要するに1億総懺悔(ざんげ)の立場からよりよき制度運営を求めて改善を図るべきで今ストに突入することがあれば、球団がさらに疲弊し、ついには解散、倒産に至ることもあり得るであろう。一層の自重を求めるものである。

 この段落は論旨が不明である。第一文では今日のプロ球界の混乱を招いた責任は、経営者、選手、コミッショナーを含め野球機構等関係者にあると明言している。にもかかわらず、第二文で「要するに」(=何を要約するとそうなるのか不明だが)、「1億総懺悔の立場から」とあるのが分からない。
 これを合わせて読めば、混乱の責任は関係者にあるが、その混乱の改善を図るべき立場は1億国民に存する、ということであろう。あなたも私も、みんなこの改善を図るべき立場にあると言われているに等しい。

 この論旨は通っているとは思えないし、それこそ責任転嫁であるように見えるが、百歩譲ってこの結論を認めることにするなら、国民の一人として改善策を考える必要がある。赤ちゃんもおばあちゃんも、サッカー少年も卓球少女も、果てはお相撲さんまで考えることが迫られている。

 んなアホなと叫びたい気持ちはこらえて、いいでしょう、では一つ建設的なことを申しましょう。コミッショナーの辞任は大歓迎(他意はない、念のため)で、これを機に、球界全体のしくみをもっと風通しのよい、スピード感のあるものに変えてはどうか。下から上まで、つまりアマ野球選手からプロ野球選手まで一気通貫にして、優秀なら上へあがれるというふうに交流をすすめ、プロの年棒は球団収入に見合ったものに、プロのあがりは球界全体の向上のために使う、組織の意思決定はスピーディに行う、というようにしてはどうだろう。今のままだと野球少年の輝く眼はいずれよそを向いてしまうのではと危惧する。