ロシアの９・１ - Tigh Mhíchíl

　ウェブ版に掲載されないので、産経新聞9月6日付に載った内藤泰朗モスクワ特派員の記事「国際テロ組織「主導」」を箇条書きメモしておく。9月3日付の同特派員の記事とは基調が違う。最大の違いは、3日付だとチェチェン独立強硬派のしわざということになっていたのが、6日付だと指導者はイングーシ人と書かれていることだ。

武装集団の指導者は通称「マガス」*1と呼ばれるイングーシ人（インタファクス通信、5日）

「マガス」はロシア南部にイスラム原理主義国家樹立を目指すワッハーブ派（イスラームのスンニ派の一派）の地下組織（ジャマート）に属す

原理主義武装勢力の狙いは「植民地主義者ロシアの圧政からの解放」と、「チェチェン、ダゲスタン、イングーシに統一されたイスラム国家を建設、それをタタルスタンなど周辺のイスラム共和国にも広げる」ことにあり、そうした目的のため、アラブ諸国の同志が数億ドル規模を支援しているという（ロシアの日刊紙ガゼータ〔日付は不詳〕）

　今回の「ロシアの９・１１」ともいえる事件、いわば「ロシアの９・１」については内藤泰朗記者の分析が私の目にした日本の新聞のなかでは一歩先を行っているが、彼の署名入り記事はウェブ版ではあまり載らない。ウェブ版の記事は通信社の配信する記事が多く、それは各紙共通なので、ウェブだけを追いかけていると情報に偏りや不足が生ずる。

　報道を見ているだけでは、上記の記事にあるような各共和国の位置関係等がよく頭に入らないので、基本的な情報を少しメモしておく。