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今年中に30枚 (6) Anuna: Deep Dead Blue


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 今年中の30枚計画の6枚目を入手。アイルランドのコーラス・グループ、アヌーナの1996年録音の名盤のリミックス盤。装いも新たに、この6月にリリースされたばかり。

 Anúna: 《Deep Dead Blue》 (英 Gimmel 462 822-2, 1999/2004)

 一言でいって、至純のひびき。

 アヌーナがこういう声のアンサンブルを聞かせるグループということは、これまでに何枚かアルバムを聞いて知っていたが、このアルバムは特別だ。シャナヒーの nami さんに薦められて入手したのだが、ところどころシャナヒーを想わせる繊細極まりないハーモニーで、本当に素晴らしい。

 Michael McGlynn (1964-、ダブリン生まれ)がふたごの兄弟 John McGlynn と共にプロデュースし作曲し編曲した歌の数々が収められているが、このアルバムほど純度の高いアルバムはそうはない。焦点は古代から中世のアイルランドの音楽に置かれているが、近代のアイルランド英語圏の音楽も含まれている。

 今回は故 Julia Hember の写真がジャケット(上の写真)を始めふんだんに使われており、附属冊子に各曲の説明と歌詞とが載っている。ペンタングル(Pentangle)の Jacqui McShee の名唱で有名な <When I Was in My Prime> はノヴァ・スコシア(Nova Scotia)の歌だろうなどと興味深いことが書いてある。この歌の編曲は絶品だ。

 もともと、リヴァーダンス(Riverdance)をやめた直後の録音だったため、じっくりと(ミクシングに)時間はかけられなかったらしいが、今回は相当ちからを入れてやっているようだ。歌の織り成す肌合いというのかテクスチャというのか、手ざわりが非常に霊妙なバランスで、歌詞カードを見なければ歌詞を聞取るのは難しいほど。一部アイルランド語の発音がおかしいところはあるが、それはまったく問題ではない。sce のような綴りをシェと発音しているように聞こえるが、もちろんこれはシュケとなる。

 古代中世のアイルランドの聖歌というと、すぐに Hector Zazou の 《Lights in the Dark》 を想いだすが、あれとは少し趣きが違う。こちらのほうが実験性が低く、より清純である。天上界に近いと言ってもよいかもしれない。

 ぼくは Irish Music Mail から入手したが、近く Anuna の 公式サイト からも入手できるようになるだろう。

 収録曲のリスト(括弧内は作者、MMcG = Michael McGlynn)。

1. Deep Dead Blue (Elvis Costello and Bill Frisell)
2. Nobilis Humilis (Med. Irish / Orkney Islands, arr. MMcG)
3. Dicant Nunc (Med. Irish, arr. MMcG)
4. Blackthorn (MMcG)*1
5. Querm Queritis (Med. Irish, arr. MMcG)
6. The Green Laurel (MMcG)
7. Ther Is No Ros (Med. English, arr. MMcG)
8. Island (MMcG)
9. The Fisher King (John McGlynn)
10. Sliabh Geal gCua (trad., arr. MMcG)
11. Kyrie (MMcG)
12. The Sea (MMcG)
13. When I Was in My Prime (trad., arr. MMcG)

 このうち、トラック4、8、12には新たにソロ・ヴォーカルが加えられているという。

*1:ただし、歌詞は伝承曲 An Draighneán Donn の英訳

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