Ray Charles Memorial Service (NPR)
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6月18日にロサンジェルスの第一アフリカンメソジスト監督教会で行なわれたレイ・チャールズの葬儀の模様が NPR で聞けます。1時間ずつ2本に分かれています。1週間ほど聞けるということなので、6月24日頃までは聞けるでしょう。レイ・チャールズのファンはもとより、ゴスペルそのものに関心のある人にもお薦めします。
この教会のステンドグラスには、聖書の聖人に加えて、Martin Luther King Jr. と John F. Kennedy とが描かれているそうです(写真)。中央に置かれているのはレイの棺です。祭壇の両脇にはピアノとドラムセットがあり、スピーカー完備で、音響効果は抜群の教会といいます。
録音にはゲストによる楽曲が8曲入っています(1-5は最初の1時間のほう)。全部の曲名は分からないのですが、以下に掲げます。
- Susaye Greene, 'The Lord's Prayer'
- The Crenshaw High School Elite Choir
- David "Fathead" Newman, 'Precious Lord'
- Glen Campbell, 'Where Could I Go But to the Lord?'
- Willie Nelson, 'Georgia on My Mind'
- Stevie Wonder, 'I Won't Complain'
- B.B. King, 'Please Accept My Love'
- Wynton Marsalis, 'Down by the Riverside'
B.B. King のあとに、この教会の Cecil L. Murray 牧師の言葉がありますが、ゴスペルの原点を思わせる素晴らしい言葉です。Wynton Marsalis のニューオーリンズの葬礼を思わせる陽気な音楽のあと、近日発売される Johnny Mathis とレイ・チャールズとのデュエット 'Somewhere Over the Rainbow' が流れますが、これはレイの最後の録音だそうです。
なお、3曲目の Newman はビリー・プレストン(Billy Preston)の代役でした。ビリーは Cedars-Sinai Hospital (ロサンジェルス)に入院中で医師から参列を禁じられたそうです。行けなくなったビリーについて、レイのマネージャーの Joe Adams は "He cried like a baby this morning" と語りました。ビリーの気持ちがわかります。
この録音を聞いた人は、この記事も併せて読むと葬儀の様子が手に取るようにわかります。
<追記1>
こちらのブログに上記の録音のことを書いたところ、n_ayada さんに保存方法を訊かれました。保存する方法はあります。「オーディオドライバにデータが流れる直前で音をキャプチャするツール」を使えば可能です。ぼくは前にも書きましたが Windows 用の Total Recorder というシェアウェアを使っています。これを使えば今回の npr の音声は wav ファイルで保存できます。
なお、そのブログ「食べる・聴く」によりますと、ドクター・ジョンの<Mess Around>は「レイ・チャールズのために書かれた曲」で、「ドクター・ジョン自身のライナーによると、この曲のピアノはレイ・チャールズのピアノをコピーして弾きつづけてきたもので、彼への大きなリスペクトも表明されている」とのことです。
<追記2>
Jager Fight! さんのブログに、<A Song For You>について興味深いことが書いてあります。
<レイ・チャールズも’93年の「My World」でカバーした。久しぶりに力を入れた新録作で、この曲はR&Bチャートでもヒットした。>とのこと。
また、<元々この曲の作者のレオン・ラッセルは、レイ・チャールズの大のファンで、この曲ははっきりと「似せて書いた」と広言していた。私はレイのバージョンが出たときその話を知っていたので、これはレオンにとって嬉しいカバーだろうと思ったものだ。>と。
さらに、<レイのバージョンも素晴らしい出来だった。元々似せて作られた曲だったという事もあるけど、あのピアノの冒頭のフレーズはそのままに、ストリングスも利いているし、何しろボーカルが全く衰えがない。今でも「ソングフォー・ユー」の一番好きなバージョンはレイのバージョンだ。(なお2番はレオン、3番はテンプテーションズだ。)>と。
ぼくは昔ミドル・ネーム的ハンドルに「レオン」と附けていたほどレオン・ラッセルに心酔しているけれど、この歌のヴァーションではビッグ・ダディー・オー(Big Daddy 'O')も好きです。
なお、ビッグ・ダディー・オーについては、こちらにレヴューを書きました。