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Tigh Mhíchíl

詩 音楽 アイルランド

記事一覧

Lumiere, 'Special Edition'

Lumiere, Special Edition (Sony, 2010) 美しい歌声の二人組。 アクースティック・ギター(Donogh Hennessy)を中心とする簡素で趣味のよい伴奏で、二人が時に一人で時にデュオで唄う。 その歌声はまっすぐで、ためらいがない。気持ちよいくらいに素直な唄い方…

Jazz Piano and Folk

ジャズ・ピアニストが弾くフォークソングは、フォークミュージシャン同士のカヴァーとはまた違う味わいがある。 とは、キース・ジャレットの 〈マイ・バック・ページズ〉 (Somewhere Before, 1968) 以来、多くの人が感じてきたことだろう。 このことをブラ…

Review of Jenna CD (Living Tradition May-June 2006 issue)

CD

Living Tradition 誌2006年5-6月号の Chris MacKenzie による Jenna Cumming, Kintulavig のレビューは稀有なものだ。同誌でこれほどの美しい賛辞を読んだ記憶がない。レビューワーが心の底から感動していることが文章に滲み出ている。私も同アルバムには心…

聴取録 Maire Ni Cheochain, 'Cu-cu-in'

ムースクリー(マスケリー)の歌唱伝統を知るのに恰好のシャン・ノース CD Cú-cú-ín をレビューする。 目次 データ 内容 総評 聞きどころ 入手先、試聴 映像 データ Máire Ní Cheocháin: Cú-cú-ín (Acamhadh Fodhla 2, 2006) rating: *** 1/2 sound quality:…

Sweet 15 by Hitchner

音楽評論家アール・ヒッチナーが The Irish Echo Online 2006年1月4-10日号で、新千年紀(2001年からの千年)に発売された CD から15枚を選出した。よく見ると、1970年代、90年代のものや2000年のものも含まれているし、今では入手困難なものもあるけれど、…

聴取録 Maire Brid Ui Nia, 'Brid Og Ni Mhaille'

コナマラのシャン・ノース・シンガー Máire Bríd Uí Nia のアルバム Bríd Óg Ní Mháille をレビューする。 Máire Bríd Uí Nia: Bríd Óg Ní Mháille (OECD-010, 1997?) rating: **1/2 sound quality: **1/2 Bríd Óg Ní Mháille Galway Bay The Blind Child Br…

'Sean-Nos Cois Locha' (CD)

2006年2月に CIC が出したシャン・ノース集 CD Sean-Nós Cois Locha をレビューする。 VA: Sean-Nós Cois Locha -- Rogha Sean-Nós Milwaukee 2003-2005 (CIC CICD 162, 2006) rating: *** sound quality: ** Áine Uí Mhuineacháin (Nan Chamais) [ó Chinn M…

嘉日 La maith

Lasairfhíona, Flame of Wine (Claddagh, 2005) 期待にたがわぬ出来……などと冷静に語ることはできぬ。むしろ、思ってもみなかった曲の存在に驚愕するというのが正直なところだ。 それはトラック6 'Galleon' だ。クレジットでラーサリーナ・ニホニーラのオリ…

美しい Julie Fowlis のアルバム

Julie Fowlis, Gach Sgeul - Every Story (Machair, 2014) いつもながらの素晴らしい Julie Fowlis のアルバム。この人には全く駄作というものがない。スコットランドの至宝。 このアルバムも丁寧に丁寧に作られており、どの曲も選ばれた必然性を感じさせる…

ブラジルでは100万枚売れたマリア・ヒタのデビュー・アルバム

CD

Maria Rita, Maria Rita (Warner Music Latina, 2003) マリア・ヒタの魅力がぎっしりつまったアルバム。デビュー・アルバムとは思えぬ完成度。ブラジルでは100万枚売れた(50万枚とする資料もある)。 選曲も歌唱も伴奏もすべて申し分ない。いつまでも聴いて…

Sean O Riada: 'Ceol an Aifrinn agus Aifreann 2'

Sean O Riada, Ceol an Aifrinn agus Aifreann 2 (Gael Linn ORIADACD02) ショーン・オ・リアダのミサ曲 'Ceol an Aifrinn' と 'Aifreann 2' とが一枚の CD に収められ Gael Linn レーベルから燦然とリリースされている。燦然というのは、アルバムのパッケ…

ケリー県のアイルランド語の語りをたっぷり収めた書

Bab Feiritéir, (Bo Almqvist, Roibeard Ó Cathasaigh, eds.) Ó Bhéal an Bhab (CIC, 2002) バブの語りを収めた本と二枚の CD は珍しいアイルランド語シャナハスの記録。ケリー県のアイルランド語の語りをたっぷり味わえる。 本の方は入手困難かもしれない。…

SWÅP 'du da'

CD

SWÅP, Du Da (Northside, 2005) あまりに深く切れ味鋭い音。すばらしい。スウォップ《デュー・ダ》。 まごうかたなき傑作で、どの曲もよいが、私は特に〈オーレ・ポルスカ〉 'Ore Polska' (トラック8)の精妙な美しさに圧倒された。このアルバムを聴くと、…

良質の歌唱の精華 Beginner's Guide To Ireland (CD)

CD

良質のアイルランド音楽コンピレーションが探せばある。例えば、The Rough Guide to Irish Music: Second Edition は一枚物としてはかなり充実した選曲だが、今回取上げるのは三枚組の Beginner's Guide to Ireland (Nascente NSBOX012)で、2005年にリリース…

アイルランド語歌唱教則本 Tutorials on Singing in Irish

知る限りでは世の中に二点、アイルランド語歌唱教則本が存在する。まことに少ない情報で申し訳ないが、一応列挙しておく。

Give Us a Drink of Water (Si-Folk)

Si-Folk, Clear Spot Session: Traditional Irish Music (2002) 世界広しと言えど、こんな解釈の演奏が出来るのは日本のシ・フォーク(Si-Folk)だけではないか。彼らのアルバム Clear Spot Session: Traditional Irish Music (rec. 2001-2002) のトラック 7…

The Rough Guide to Irish Music

The Rough Guide to Irish Music (World Music Network, 2005/2013) 近年では最高のアイルランド音楽コンピレーション盤と断言できるアルバム。同名の書物を書いた Geoff Wallis が編んだ CD の新版である(World Music Network から2005年3月14日にリリース…

CIC 訪問

〔蔵出し記事 20040219〕 一度は CIC に行ってみたかった。

リリス・オリーレの代表作

Lillis Ó Laoire, Bláth Gach Géag dá dTig (CIC, CICD 075) 今日、ドネゴールのシャン・ノースの男性歌手として、リリス・オ・リーレの右に出る者はいない。彼の代表作がこのアルバムである。

ドネゴールの伝説的歌い手の歴史的録音

Jimmy Dinny Ó Gallchóir, Seal ag Gabháil don Cheol (CIC, 2008) ジミ・ディニ・オガルホーィル(Jimmy Dinny Ó Gallchóir, 1921-1980)の1950年代、70年代の歌唱の録音を集めたもの。オリジナルの音源は RTÉ (アイルランド準国営放送局)と Raidió na Ga…

実力派歌手が唄う英国バラッド

English & Scottish Folk Ballads (Topic, 1996) もとは1964年に Topic レコーズがA. L. ロイド(A. L. Lloyd)とユーワン・マコール(Ewan MacColl)が唄うバラッド・アルバムとしてリリースしたものに、4人の歌い手の録音を加えて作成したバラッド集。加わ…

伝統曲をポップな声質で唄う明るいアルバム

CD

Cathie Ryan, Cathie Ryan (Shanachie, 1997) 最近はあまり聞かないタイプのポップな、例えて言えば Linda Ronstadt のような声でトラッドを唄う。これは新鮮。キャシー・ライアンのソロ第1作。1987年から1990年代前半くらいまで女性ケルト音楽グループ Cher…

スウェーデンのフォーク音楽の極北

Susanne Rosenberg, ReBoot / OmStart (Playing With Music, 2010) スウェーデンのフォーク・ソングの伝統と現在と未来とを見据えた研究成果であり、スリリングな実践でもあるCD。

芸術音楽としてのシャン・ノース

CD

Áine Uí Cheallaigh, Binneas thar Meon (Gael Linn, 2009) オリアダ杯を2回獲得した女性歌手、オーニャ・イハリーの2009年のアルバム。 東マンスターの歌集を取上げて唄っている。質が非常に高く、かつてパダル・オリアダが言った、芸術音楽としてのシャン…

Colm O'Donnell, 'Farewell to Evening Dances'

CD

Colm O'Donnell, Farewell to Evening Dances (Bogfire, 1999) スライゴー出身のコラム・オドネル(1962年生まれ)の1999年の米国レーベルからのこのアルバムは名盤として愛聴されている。

ミシェル・ラリの歌声をフランキー・ガヴィンの音が包む

CD

Michelle Lally, If This Be Love (Tara, 2006) おそらく、このアルバムの隠れファンは多いのではないかと想像する。

アイルランド東部のゲールタハトの伝統歌

CD

Siobhán Seoighe, Ráth Chairn na Gréine: Bailiúchán Amhrán agus Dánta ó Ghaeltacht Ráth Chairn (Glór na nGael gnag 001) Ráth Chairn ゲールタハトの伝統歌および詩(トラック7、9)を集めた貴重なCD。発行元は Glór na nGael.

耳が、脳が覚醒する平原のアルバム

CD

平原 綾香、Odyssey (Dreamusic, 2004) 日本のシンガー・ソングライター、平原 綾香 のデビュー・アルバム。

アクースティック・ギター一本でアルバム一枚を聞かせてもまったく飽きさせないくらいギターがよく歌うエマニュエル

CD

Tommy Emmanuel, Endless Road (CPR Entertainment, 2004) オーストラリアのギタリスト、トミー・エマニュエル が2004年初めに発表したアルバム。

かけたとたんに耳が喜ぶアルバム

CD

Steve Miller, Born 2B Blue (Capitol, 1988) 米国のギタリスト、シンガー、スティーヴ・ミラー の1988年のアルバム。

米国のアイリッシュ・ピアニスト、ドナ・ロング のソロ第1作

CD

Donna Long, Handprints (Own Label, 2003) 米国のアイリッシュ・ピアニスト、ドナ・ロング のソロ第1作。

フォークとブルーズの楽しさの原点に還ったビッグ・ダディー・オー

CD

Big Daddy 'O', Deranged Covers (Rabadash, 2004) 米国のシンガー、ギタリスト、ビッグ・ダディー・オー (Owen Tufts) の2004年のアルバム。 こんな自由な音楽は久しぶりに聞いた。Flying Machine 時代のジェイムズ・テイラーを想いだす。フォークとブル…

米国 のゴスペル音楽の"バイブル"とも言えるアルバム

CD

Goodbye, Babylon (Dust-to-Digital, 2003) 米国 のゴスペル音楽の"バイブル"とも言えるアルバム。 ゴスペル音楽の初期の録音を集大成し、本物の綿花とともにシーダー製の木箱に収めた Goodbye, Babylon はジョージア州アトランタの Dust-to-Digital が2003…

Oliver Knight, 'Mysterious Day'

CD

Oliver Knight, Mysterious Day (Topic, 2001) オリヴァー・ナイトのソロ第1作。 うーん、こんなアルバムを作るとは。近年の傑出した英国のアルバムの音質を支えるエンジニアとしての仕事ぶりから、音に対して非常に鋭い感覚を持っていることは分っていたが…

セネガルのコーラとスウェーデンのフィドルの幸福な出会い

CD

Ellika & Solo, Tretakt Takissaba (Xource, 2002) スウェーデンのフィドル奏者 Ellika Frisell とセネガルのコーラ奏者 Solo Cissokho のデュオ・アルバム。 ルーツ音楽における異種混交の典型例とも見えるが、この両者の音楽をよく知っている人でも、この…

ノルウェーらしい北欧の透明感と怜悧な感覚

CD

Vintermåne, Vintermåne (2L 2L3, 2002) ノルウェーの三人組、ヴィンターモーネ の第1作。シンセサイザーなどを担当するメンバーのみが男性で、あとは女性。 このCDアルバムはいろんな意味で満足感がひろがる。まず、ジャケットを手にとると、感触がなんと…

ジョーニーの吹く〈ローシーン・ドゥヴ Róisín Dubh〉

CD

Celtic Twilight 2 (Hearts of Space HS11106-2, 1995) アイルランド系米国人のジョーニー・マッデン (Joanie Madden) をはじめ、さまざまな地域のケルト系アーティストを集めたアンソロジー。 このジョーニーの吹く〈ローシーン・ドゥヴ Róisín Dubh〉(黒…

スライゴーのマルチ・インストルメンタリストのデュオ

CD

Loretto Reid & Brian Taheny, Celtic Mettle (Iona Recordings IRCD 049, 1997) スライゴー出身のマルチ・インストルメンタリストの俊英デュオ。ロレット・リード と夫のブライアン・タヘニーはカナダ在住。 このアルバムはカナダの Reta Ceol が制作し、ス…

20世紀のアイルランド伝統音楽で最重要人物の一人シェーマス・エニス

CD

Séamus Ennis, The Wandering Minstrel (Topic, 1974; Green Linnet GLCD 3078, 1993) ダブリン県出身の シェーマス・エニス (1919-82)。 20世紀のアイルランド伝統音楽で最重要人物の一人。イラン・パイパー、ティン・ホィッスル奏者、歌い手、ストーリー・…

たましいをゆさぶられるアルバム

CD

Doimnic Mac Giolla Bhríde, Saol na Suailce: Sean-nós as Tír Chonaill (DMGB 001, 2004) ドネゴール県デリベグ出身の ドミニク(ドゥィムリク)・マク・ギラ・ヴリージェ。ソロ第1作。アルバム・タイトルは「楽しい生活――ドネゴールのシャン・ノース歌唱…

真に現代の名人の名に値する歌い手(2001年のオ・リアダ杯受賞者)

CD

Meaití Jó Shéamuis Ó Fátharta, Bóithríní an Locháin: Sean-Nós Songs from Connemara (Cló Iar-Chonnachta CICD 154, 2003) コナマラの男性アイルランド語歌唱の雄、マティ・ジョー・ヘームィシュ・オ・ファールタ。 2001年のオ・リアダ杯受賞者。

リリス・オ・リーレらの無伴奏伝統歌を集めた珠玉の録音

CD

Lillis Ó Laoire, Annie Ebrel, Màiri Smith, Julie Murphy, Datgan (Fflach CD183H, 1997) ケルト諸語の四地域、アイルランド出身の リリス・オ・リーレ、ブルターニュ出身の アニー・エブレル、スコットランド出身の モーリ・スミス、ウェールズ出身の ジ…

夭折した天才詩人カチリーンの1976年作

Caitlín Maude, Caitlín (Gael Linn, 1976; rpt. 2003) いとしのカチリーン。アイルランド語詩歌のひとつの極北。夭折した天才詩人の1976年作が2003年に奇跡の復刻。 奇跡という以外に何といえようか。カチリーン・モード(1941-1982)の声を一度でも耳にし…

コルシカの宝

CD

A Filetta, Intantu (Virgin, 2002) コルシカの宝。 人間の声の奥深さ、気高さに心から賛嘆を禁じえない。

モッリコーネがムルタスのために作編曲・指揮した類稀なるコラボレーション

CD

Ennio Morricone and Clara Murtas, De sa terra a su xelu (From the Earth to the Sky) (Teatro del Sole, 2002) 巨匠モッリコーネがサルデーニャの歌手クララ・ムルタスのために作編曲し、指揮した珠玉の作品。 2 曲はモッリコーネの作曲で、1 曲は伝統曲…

ウォータフォード発の第一級の伝統音楽

CD

Tomás Ó Gealbháin, Caoimhín Ó Fearghail, Seán Ó Fearghail, Lá ag Ól Uisce (2013) アイルランドのピュアな伝統音楽がぎっしり詰まったアルバム。 つまり、まさに「ピュア・ドロップ」だ。聞けば聞くほど良さが深く味わえる。流行の音作りとは一線を画し…

スコットランドの至宝、アーチー・フィシャーの2015年盤

CD

Archie Fisher, A Silent Song (Red House Records, 2015) スコットランドの至宝、アーチー・フィシャーの2015年盤。 「待望の」という形容詞がアーチーほどふさわしいシンガーはまたとない。歌もギターも、ともにフォークシンガーのお手本。深みがあり、音…

バスクからの宝物

CD

Olatz Zugasti. bulun bulunka (Elkarlanean KD-532, 1999) バスクから10年に一度くらい届けられる宝物といえばいいか。前作の一枚目が1991年作だそうだ。

西ジャワのピュアな伝統音楽

Sean Williams, The Sound of the Ancestral Ship: Highland Music of West Java (Oxford UP USA, 2001) 西ジャワのピュアな伝統音楽を収めた CD。 といっても、市販のオーディオ CD ではなくて、学術調査研究の録音資料を収めたもので、民族音楽の学術書に…

Brian Peters, 'Lines'

CD

Brian Peters, Lines (Pugwash Music, 2001) Tony Rose 亡きあと、イングランドの良心といえばこの人を想いだす。 芯があり、はりがある。 硬質なブリティッシュ・フォークの伝統をよく体現する。