Tigh Mhíchíl

詩 音楽 アイルランド

記事一覧

音楽

ボブ・ディランの人生をよぎった謎の人物

Life 'Bob Dylan' (2016) ハードカバー版(2012)をボブ・ディランのノーベル文学賞受賞を機に関連する序文をくわえ電子書籍化したもの。元のハードカバーは96ページで、この長さなら、内容がおもしろいこともあり、じゅうぶん読み切れる。Life 誌の編集者た…

Jazz Piano and Folk

ジャズ・ピアニストが弾くフォークソングは、フォークミュージシャン同士のカヴァーとはまた違う味わいがある。 とは、キース・ジャレットの 〈マイ・バック・ページズ〉 (Somewhere Before, 1968) 以来、多くの人が感じてきたことだろう。 このことをブラ…

Radio Celt

ケルト音楽専門インターネット・ラジオ。サブチャンネルが 15 もある。伝統音楽や女性・男性アーティスト等々。米国の AccuRadio の局の一つ。知るかぎりでは2006年頃から続いている。その頃はサブチャンネルは6つだった。 ジャケットをクリックすると、amaz…

VWML Online

〔蔵出し記事 20060508〕 〔2006年〕5月6日、ヴォーン・ウィリアムズ・メモリアル・ライブラリー(Cecil Sharp House, 2 Regent's Park Road, London, NW1 7AY U. K.)が所蔵資料の オンライン検索 を開始した。これで目的の資料を探し当てたら、同ライブラ…

100% と 99.9% との間 To forgive, divine

過つは人の常だが、時に百パーセントが必要になるケースもある。 目次 99.9% 良品で OK か 99.9995% 安全で OK か 95% 聞取れれば OK か 99.9% 良品で OK か 2006年1月21日に行われた大学入試センター試験の英語聞取り試験の再生機は、0.1% が故障した。これ…

アイルランド競技会へ海外から参加する人 From beyond the Shores of the Emerald Isle

映画 'The Boys and Girl from County Clare' (2003) は抱腹絶倒のコメディながらアイルランドの伝統音楽競技会にからむ人間模様を映画の形で見事に拳拳服膺してみせた作品といえる。 ケーリー・バンドの全アイルランド大会に参加する三カ国のバンドのリーダ…

フランシー語録 Francie Interview

フランシー・ムーニー(Francie Mooney [Proinsias Ó Maonaigh], 1922-2006)の音楽家・作家・俳優としての卓越した才能のひとつはアイルランド語の表現力にあったと思います。彼が書く歌詞には人を惹きつけるものがありました。その言語的遺産は不滅の輝き…

ヴァレリ兄弟のいぶし銀のごとき伝統音楽

"Silver Slipper", "Glen Road to Carrick" & "The Abbey Reel", Cillian & Niall Vallely w Alan Murray 米国の東海岸メリーランドに伝統音楽の振興をめざす非営利団体 IMT (The Institute of Musical Traditions, 1988年創設) がある。 そこで2013年に行わ…

オ・ブリアンとトービーン Come West along the Road (DVD)

2005年暮れに発売された RTE のビデオ・クリップ集 Come West along the Road: Irish Traditional Music Treasures, Volume 1 from RTÉ TV Archives 1960s - 1980s (RTÉ RTEDVD99)。プロデュースはニコラス・カロラン。本 DVD はオール・リージョンズのデ…

DVD 'Come West along the Road'

Come West along the Road (RTÉ RTEDVD99) 〔第1集〕 アイルランドRTE放送局の人気伝統音楽番組 'Come West along the Road' のシリーズから精選したもの。ホストはニコラス・カロラン(最近までダブリンのアイルランド伝統音楽資料館 ITMA の館長だった)。…

視聴録 《ジョンとジャッキー》 DVD 'John Renbourn and Jacqui McShee'

John Renbourn and Jacqui McShee: In Concert with guest Clive Carroll (Pentangle Ltd / Hard Road Recording HRDVD 003, 2005; Region Free NTSC Format DVD) ジョン・レンボーン(1944-2015)がジャッキー・マクシーと行ったライヴの模様を収めた DVD …

『われらの音楽伝統』 Our Musical Heritage by Sean O Riada

Seán Ó Riada, Our Musical Heritage (Fundúireacht an Riadaigh, 1982; ed. with an introduction by Thomas Kinsella; Musical Editor: Tomás Ó Canainn) ショーン・オ・リアダ(1931-1971)が1962年7月7日-10月13日に行ったラジオ講話を収める小著(楽譜…

John Brian Vallely (interview, Beo)

トラッド・ファンにもたぶんおなじみの世界的画家のインタヴューが Beo 2005年9月号に掲載されている(アイルランド語)。 先に彼の子供たちのことにふれると、Lúnasa (ルーナサ、「ルナサ」)のキリアン(Cillian)・ヴァレリー(イラン・パイプス)は次男…

セラ=ジェーン・ウッズのインタヴュー(3) Sarah-Jane Woods interview (3)

CUMAR のアルバムで演奏を聞かせたフルート奏者セラ=ジェーン・ウッズ (Sarah-Jane Woods) の Beo におけるインタビュー (Beo, Eagrán 36, Aibreán 2004) の3回目。原文(アイルランド語)のあとに大意を英語で掲げる。 [Sarah-Jane Woods; source] Antaine…

セラ=ジェーン・ウッズのインタヴュー(2) Sarah-Jane Woods interview (2)

CUMAR のアルバムで演奏を聞かせたフルート奏者セラ=ジェーン・ウッズ (Sarah-Jane Woods) の Beo におけるインタビュー (Beo, Eagrán 36, Aibreán 2004) の2回目。原文(アイルランド語)のあとに大意を英語で掲げる。 [Sarah-Jane Woods; source] 〔一口…

セラ=ジェーン・ウッズのインタヴュー(1) Sarah-Jane Woods interview (1)

CUMAR のアルバムで演奏を聞かせたフルート奏者セラ=ジェーン・ウッズ (Sarah-Jane Woods) の Beo におけるインタビュー (Beo, Eagrán 36, Aibreán 2004) を少しづつ紹介する。原文(アイルランド語)のあとに大意を英語で掲げる。 [Sarah-Jane Woods; sour…

Cumar 音楽学校の若き音楽家たち

Cumar (CIC CICD141, 2000) 10. An Tréigean le Ciarán Ó Concheanainn 11. Poirt / Jigs le Sarah-Jane Woods 1999 年の「クマル」コンサートの模様を収めたアルバム。〔'cumar' はアイルランド語としては「峡谷」の意だけれど、ここではアイルランド西部コ…

アイルランド伝統音楽のギター弾きに4種類あり

スレッド 'The Guitar and Irish Traditional Music' から(2002-2005)。thesession.org に発し、Mudcat にまで飛び火した、ギターとアイルランド伝統音楽をめぐる議論。Michael Sands さんの観察によると、アイルランド伝統音楽のセッション現場で出会うギ…

Altan @ Aiphonic Hall, Itami, 4 Dec 2015

アルタン(兵庫県伊丹市アイフォニックホール、2015年12月4日) 伊丹市で行われたアルタンのコンサートについてのメモを少し。 メンバー このメンバーになってからは初めて見た。アコーディオン奏者が Martin Tourish (Ciaran Tourish の甥)に代わった。ギ…

Smithsonian Global Sound, Folkways, Moses Asch

〔蔵出し記事 20050413〕 スミソニアン・グローバル・サウンド〔現在は Smithsonian Folkways〕は2005年6月からプロジェクトを公式発足させた。ポイントをまとめる。 ワールド・ミュージックの音源、約 35,000 曲を 1 曲 1 米ドル前後でオンライン販売 音源…

Give Us a Drink of Water (Si-Folk)

Si-Folk, Clear Spot Session: Traditional Irish Music (2002) 世界広しと言えど、こんな解釈の演奏が出来るのは日本のシ・フォーク(Si-Folk)だけではないか。彼らのアルバム Clear Spot Session: Traditional Irish Music (rec. 2001-2002) のトラック 7…

フレーズの切れ目、さくら phrasing, articulation

詩歌の言語が、その詩歌に基づく楽曲の演奏表現にどのように影響を与えるかということ、これを説明するうまい例はないかと考えている。(別の記事「三月に」参照) 突拍子もないようだが、日本語の「さくら」を想いつく。この語を用いて詠う(歌う)場合、皆…

「三月に」をアイルランド語で言うと Marta

「三月」の語 'Márta' を取上げる。こういう月の名前が出てくると、季節を通じて連帯感が生まれる。アイルランド語と他の言語、例えば英語(March)との間に。両者は一見してよく似ている。ラテン語のマールティウス Martius、即ち軍神マールス Mars の月(…

名残りの薔薇、その旋律 The Last Rose of Summer

〔蔵出し記事 20050317〕 'The Last Rose of Summer' (庭の千草 〔菊〕)はアイルランド民謡として知られているが、それ以上のことはあまりネットに出てこないのでちょっと書く。

耳鳴り、サヌカイト sanukite, Last Rose of Summer

〔蔵出し記事 20050316〕 昔、ロック・ピアニストだった頃、大音響バンドにいたことがある。ニール・ヤング・バンドもかくやと思われるくらいの音圧に囲まれていた。

音楽ワークショップへの参加 workshops

〔蔵出し記事 20050315〕 (2005年)3月6日(日)に大阪でジョー・オ・ニャハタン(Joe Ó Neachtain)のシャン・ノース・ダンス(rince aonair ar an sean-nós)のワークショップに参加したけれど、ぼくにとっては今までで一番わざの吸収率が低かった。これ…

バーン・ダンスとエリザベス・クローニン

ポール&ハリーのアルバム Born for Sport には barn dance が2トラックも入っている。で、この barn dance について少し。

ピアニスト必読の変わった波長の作品

フレドゥン・キアンプール『幽霊ピアニスト事件』(創元推理文庫、2015) 原著 Fredun Kianpour, Nachleben (2008). 同じ東京創元社から2011年に単行本で出た時のタイトルが『この世の涯てまで、よろしく』で、表紙が魚住幸平作だった。本書の表紙が Ryoojin…

マルケリンがシャン・ノース・ダンスについて語る

人気のあるダンス講師ミック・マルケリン(Mick Mulkerrin)がシャン・ノース・ダンスについてインタヴューで語った言葉を引用しておこう。

ハリー・ブラッドリーと話しこむ

〔蔵出し記事 20050307〕 いや、そんなつもりじゃなかった。たまたま昨日(2005年3月6日、吹田さんくすホール、ワークショップ)の立食のテーブルで隣合せ、あなたは IRTRAD-L でよく発言するあのハリー・ブラッドリーと同一人物かと水を向けたのだ。そうし…